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2015年秋のドイツ旅行(9)

こんにちは。ともたろです。
9月17日、ヒルデガルト記念祭の当日です。
体温は36.7度、少しだけましになりましたが、
鼻水の流れはあいかわらず滝のごとし。でるなぁ~。
いつもより遅めに起床して、9時40分にホテルを出ました。
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5分後に着くと、教会の中は信者でいっぱいでした。
前庭での式典開催は、悪天候で諦めたみたいですね。
私も教会内のどこに座るべきか、すでに要領を得ています。
全く遠慮するなく、前の席にまで座りに行きました。
すみません。でも教会は遠慮する場所ではないのです。
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10時になって、式典が始まりました。
ふだんのミサでは説教壇にあがらないシスターも、
祝祭日ですから、壇上でお話をされます。
昨日ここで「瞑想」をしきっていたシスターです。
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神父さんの数が多いっ!
司教区から、高位聖職者たちがかけつけたのでしょう。
私の聞き間違いでなければ、マリア・ラーハ修道院からも、
修道士が招待されて、参加されていました。
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「父と子と聖霊のみ名において。アーメン」
…の一番いい瞬間を写したつもりですが、ブレてる。
そのうえ、「アンタなに?」の視線で見られてる?
すみません。無礼な異教徒をどうぞお許しください。
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ミサが終了したのは、11時を少しまわったころ。
後ろを見ると、二階席までぎっしり信者で埋まっていました。
こんなに人でいっぱいの巡礼教会、見たことがありません。
地元信仰の強いヒルデガルトですが、この日ばかりは、
この小さな教会に、全世界から信者が集まってきているのです。
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11時30分頃、いちどホテルに戻りました。
体調がよくないので、いろいろとね…。
ホテルがこの教会に近くて、本当に助かりました。

ホテル前の坂道の険しさ、写真でお伝えできているでしょうか。
初日はこの下から、スーツケースを引きずって上がってきたので、
もう死ぬかと思いましたよ。あとで裏道を発見して助かりましたけど。
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次の15時の式典までは、「昼休み」にあたるのです。
貧乏性なので、私はこの時間帯にも観光をすることにしました。
6€で入ってみたのは、ホテルの近くにある「拷問博物館」です。
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西洋中世の拷問具が、蝋人形と共に展示されている場所です。
通りの人ごみとは裏腹に、館内の入場者は少なかったです。
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イタタタタ!!!
永井豪先生の漫画で、これ昔見ましたよ!
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晒し台とか、ギロチンとか。
それにしても昔の人は、イマジネーションが豊かですよね。
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この博物館は10時開館で、なかなか入る機会に恵まれませんでした。
入れば入ったで「ああ、見たことあるアレ」という感じなんですが、
この手のネタは、スルーはできません。ただし規模は小さめでした。
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同じ通りの並びにある(観光客向け)カフェに入りました。
お昼にお店に座って温かいものを食べるのって、初めてかしら。
このとき選んだのは、ツヴィーベルクーヘン(玉葱ケーキ)と、
いつものフェーダーヴァイサーです。

玉葱ケーキは、どうやらこの地方の代表的軽食みたい。
ケーキというよりは、温かいキッシュみたいな食感でした。
甘くないケーキで、とてもおいしゅうございました。
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午後の部の開始時間が、迫っています。
玉葱ケーキを食べ、ホテルでゆっくりしてから、
14時45分頃に、巡礼教会に駆け付けました。
前庭のベンチは使われることなく、放置されたまま。
教会内は、人、人、人でいっぱいになっています。

「2階のコーラス席が、今日はオープンになっているはず」
午前中に目視していた私は、迷わず2階に駆け上がりました。
上にいったら、こんな素晴らしい眺めだったんです!!!
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ここはいい!絶景かな!!!
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式典の全容を、あますことなく見渡すことができました。
しかも最前列をゲットしたので、人が邪魔になりません。(失礼)
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ヒルデガルトの聖遺物は、いつもの壇上から一段降りて、
信者席の近くに設置されています。本日の主役ですから。
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1時間あまりの式典の間、丘の上の修道院スタイルで、
シスターたちの歌声による掛け合いも披露されました。
そのとき「修道院で聴いたあの声は、CDじゃなかった」
と確信しました。(すみません、これまで疑っていて)
透き通っていて、鳥肌が立つほど美しい歌声だったのです。
神父さんたちのお言葉は、正直ほとんど覚えていません。
興奮していたし、その場の雰囲気に圧倒されていたので。
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式典が一区切りついたら、本日のクライマックス。
聖遺物箱が信者に担がれて、巡礼教会を離れるのです。
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宗教関係者や信者と一緒に連れだって、
聖遺物箱はアイビンゲンの小さな集落を一周します。
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ヒルデガルトの民間信仰を確固たるものとした
年1回の重要な宗教行為「聖遺物の巡行」のはじまりです。
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集落内には、スピーカーが設置されています。
どこを歩いていても、お祈りの声がついてまわります。
巡行している人たちは、スピーカーの音声にあわせて、
配布された冊子を読みながら、ともにお祈りするのです。
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「私は異教徒だし」
「最後尾にひっそりついていけばいいや」
最初はそう思ったんですが、結構厚かましいカメラマンがいまして。
彼らにつられるようにして、私も最前列まで接近していきました。
結局、大司教のほぼ直後を歩きながら、聖遺物巡行を体験したのです。
(恥を)知らないって怖いわ~。ほほほ。
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巡礼教会に帰着。ほぼ30分の道のりでした。
撮影していただけじゃなく、ずっとお祈りの声をあげていたので、
私もものすごく満たされました。私はカトリック信者ではないのですが、
「教会に集まって、仲間とともに声を出して祈る」という行為からは、
そんな精神的充足感も得られることが分かりました。
私のように、わけわからんままに声だけ出している人にもね。
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さて、聖遺物はもともとあった場所へ戻ります。
私は最後まで写真撮影しながら、入場を見届けていたので、
最後の式典ではいい席を陣取ることはできませんでした。
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式典のクライマックスを、最後尾で見守ります。
教会の後ろは、立つ場所もないくらい混んでいました。
この式典が終了したのは、だいたい17時頃です。
このあとは「聖遺物が公開される時間」とパンフに書いてありました。
私はこのイベントをものすごく楽しみにしていたのですが、
ほとんどの人はすぐに教会を出ていったのです。不思議!
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セキュリティの男性が見守るなか、聖遺物の横に整列ができまして。
各人が聖遺物箱の前に膝まづき、撫でて、キスをし、お祈りしました。
とても厳粛な時間でした。最初は誰も声を出さずに並んでいたのですが、
ある老人女性がいきなり1人で讃美歌を歌いだしました。同じ歌を何度も。
するとそばに立っていた黒服の修道士が、それにあわせて歌い出しました。
ですから聖骨を待つ行列の周囲には、2人の歌声が厳かに鳴り響いています。
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私も20分くらい並んだあと、膝まづき、お祈りをしました。
胸がじんわ~と熱くなり、涙がでそうなほど心が打たれました。
「こんなパワーがあるんだったら、なにか奇跡が起こりそうな気がする!」
近くで撮影する許可もでたので、写真撮影をしましたけど、
この写真は公開しないで、大事にしまっておくことにします。
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それに近い写真がこの写真です。絹と宝石のカバーをかけ、
美しく飾り立てられた「しゃれこうべ」だと思うんですが。
いかがでしょうか。年に1度しか公開されない貴重な瞬間です。

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修道士と老婦人の歌声は、まだ教会内に響いていました。
だけど私は目的を果たしたので、もう教会を離れることにしました。
いい体験をしたなぁ。最後までしつこく残っていてよかったなぁ。
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私にとっては、リューデスハイム最後の夜。
この週末にかけて、同じ宿に連泊できなかったのです。
町を離れて(空港に近い)マインツに泊まることにしていました。
もう1回イベントに戻ってくるけど、とりあえずさよならだね。
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リューデスハイムの町まで戻ってきました。
最後の夜だから、ちゃんとしたものを食べたいな。
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こんなに連泊しておきながら、「マルクト広場」に来るのは初めて。
右手に見えるのが「市庁舎」、左手が「カトリック教会」です。
普通の町においては、市庁舎、教会、マルクト広場の3点セットは、
旧市街の中心部の最重要アイテムで、人でにぎわっているはず。
なのにリューデスハイムにおいては、この法則は例外のようです。
さらに人の集まる「つぐみ横町」がありますからね。
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悩みに悩んで入ったのが、マルクト広場の端にある
「ヤコブスクラウゼ」という居酒屋です。
選んだ基準は、フェーダーヴァイサーがあるかどうか。
さらにしつこく、アンズタケが食べられるかどうか。
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アンズタケのハーブ入りパンケーキ。
これがうんまああああああああーい!!!

ドイツによくある塩味勝負ではなく、
適度に焦げ目のついた生地がふわっふわで、
アンズタケの風味が生地にもホワイトソースにも浸透していて、
中のアンズタケが最後まで火傷しそうなほど熱かったんです。
これはマジに、今回の旅行でいちばん評価の高い料理でした。
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調子に乗って、珈琲とアイスを頼んでしまった私。
デザートはさすがに多かった。ドイツのアイス多いわ~。
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でもパンケーキがあまりにおいしかったので、
明後日もここに来ようかなと思いました。
ヒルデガルトのイベント最終日なのでね。

レストランを出たのは19時頃、外はまだ明るい時間帯です。
おいしいアンズタケにおいしいワイン、この町の締めの食事は最高でした。
でも明日はマインツへ移動する日。やることはいろいろあるんだけど、
「さて、どういうスケジュールを組んで動きまわろうかな?」

そんなことを考えながら宿に帰りつくと、職場からのメールが…。
返事を書いたり、この先のことを考えたりしているうちに、
早く寝るはずが、あっという間に23時になってしまいました。
しかもその仕事絡みで、予定とは違う町に飛ぶことになったのです。

by ottohoefler | 2015-10-12 01:44 | 旅行(Reisen)


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by ottohoefler

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