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2015年秋のドイツ旅行(8)

こんにちは。ともたろです。
朝からいろんな意味で、体調が最悪な日でした。
午前中は、ゆっくりと町内を歩きまわる予定だったんですが、
雨のなか、坂の下のスーパーに走るところから始まりました。
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坂道をはあはあと登り、宿に帰って再スタート。
時間が中途半端ですが、まずはゴンドラリフト乗場へ。
山頂にある「ニーダーヴァルト記念碑」を目指します。
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横殴りの雨が、レインコートを無情に濡らします。
こうしてリフトに座っていると、寒いんですけど。
たいだい、ほとんど誰も乗っていないんですけど。
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いつも通るワイン博物館を、リフトの上から眺めます。
ライン川とワイン畑に囲まれた、素晴らしいロケーションですね。
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見渡すかぎりのワイン畑は、どこまでも青く美しい。
町で見かけた観光列車、こんなところまで走っていました。
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これらの景色をともに楽しむ「ニーダーヴァルト記念碑」。
遠くでこんなにかすんでいますが、どうなることやら。
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リフトを降りたら、西洋風あずまやが目に入りました。
ここから、リューデスハイムの美しい街並&ライン川を楽しめるはず。
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それなのに、今はこんなにまっしろ…みてください。
雨ですわ。雨で一帯がかすんでるんです。
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それでも「ここまで来たからには」と、山の上に向かいます。
1871年のドイツ統一記念に建造された「女神ゲルマニア像」を見るため。
左手に剣を持ち、皇帝の冠を高々と天に掲げている38mの巨大記念碑です。
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ちーっとも見えへんがな。
男か女かもわからない不鮮明さ。
いちばんクリアなのが、この写真でした(涙)
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傘をさしていても辛いくらいの雨なので、
頂上で長居はせずに、撮影後すぐに麓に戻ることにしました。
まるでトイレに入るために、このリフトに乗ったようです(涙)
あ、あと中国人を見るためかな…頂上にすごく多かったので。
それにしても、中国人ってお金あるなぁ~。
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傘で身を防護しながら、帰りのリフトに揺られます。
こんなに連日雨にたたられるとは、残念でありません。
もしかして、私、雨女なのかしら?
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今回の滞在で訪問する予定の「ヒルデガルト修道院」が、
ぶどう畑の向こうに見えたのには、満足しました。
この修道院、本当にいいロケーションですよね。
歩いていくのは、めっちゃたいへんだけど。
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さあ、麓に戻ってきましたよ。
着いたとたんに雨が止んだのには、少しムカつきましたけどね。
ここらへんの風景を見ると、もはや地元のように安心できます。
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時計を見ると、時刻は11時20分頃。
友人を駅で迎える約束時間は14時で、まだ2時間半もあります。
「プランA」いく?今だったら雨も止んでいるし、イケるかな?
私は可能性にかけてみることにしました。
旅において、私はいつでもチャレンジャーなのです。


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リフトを降りて、駅方面に歩いていきます。
ただし駅には降りずに、そのままぶどう畑の中を進むのです。
「プランA」とは、リューデスハイム郊外にある古城の廃墟、
「エーレンフェルス城」を見に行くことだったのです。

ライン川下りの船に乗ると、この古城はとても岸近くに見えます。
廃墟で中に入れないためか、あまり接近した人の話は聞きません。
でもせっかくリューデスハイムにいるんですから、私は行きたかった。
片道30-40分の距離と言いますから、行けないことはありません。
ということで、今回はあえてチャレンジしてみました。
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「1本道で簡単」という噂があったんですが、そんなことはない。
いくつもの分かれ道があり、どちらに行くべきか、その都度悩みました。
「岸に近いんだから」と下の道を行くと、こんなに線路に近くなりました。
この道、絶対に間違っているんです。でもここまできたら引き返せないし。

雨が再び強くなってきました。
30分も歩くと靴下までぐしょぐしょで、髪の毛から雨が滴り始めます。
腕にはめていた古い機械式時計は、湿気で曇り、動かなくなりました。
この雨の行軍は、私の人生で最悪の40分、いや50分でした。
ぬかるみで足元が悪く、想像以上に時間がかかったのです。
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こちらは、ビンゲン沖に建つ「ねずみの塔」。
ビンゲンに宿泊していたとき、毎朝目にしていた塔です。
「これが見えてきたらすぐ」と言われていたのですが。
地形のせいで、歩いても歩いてもお目当ての古城が目視できません。
それがよけい私の不安をかきたてるんですね。
つらいよ~。人間とすれ違いたい。
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あっ!丘の上に古城が見えてきました。
これが「エーレンフェルス城」のようです。
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1211年、マインツ大司教によって税関として築かれたお城。
大司教の居城として利用され、戦乱時にはマインツ大聖堂の
宝物保管所にもなった由緒ある古城です。
17世紀にフランス軍に破壊されたあとは、
300年以上も廃墟のままになっています。
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下の道からは、丘の上に通じる道はみあたりません。
美しく広大なぶどう畑の帯が、私の行く手を遮ります。
「こうなったら、ぶどう畑をよじのぼったろ」と考えました。
実際に2mくらいあがってみたのですが、すぐに諦めました。
畑の畝ですから、雨水を含んで、土がぐちゃぐちゃなんです。
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こんなに近くまで来たのに。残念でなりません。
でも友人との待ち合わせ時間も、迫ってきています。
このへんで諦めて、町に戻ることにしました。

帰りは知っている道なので、テクテクと歩き、
35分で駅の分岐点にまで戻ることができました。
(まあ、このあたりで時計がとまっていたわけですが)

時刻は13時10分頃。
まだ少し時間があります。私はホテルに大急ぎで戻り、
シャワーを浴びて、全身の服を着替えました。
手持ちの服があまりないので、洗濯まで済ませました。
そのあとに(時計がとまっていることに気づき)、
あせって駅に走っていったのです。
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14時ジャスト、友人と駅で合流することができました。
お互いに抱き合って、半年ぶりの再会を喜びあいます。
そのあとは15時から開催される「瞑想」の時間に臨席すべく、
(ホテル近くの)巡礼教会に、歩いて向かうことにしました。
ここからまた歩きですわ…。

友人と合流してから、22時に駅で別れるまでの写真はあまりありません。
彼女とともに歩き、ワインを飲み、話しあうのに夢中でしたので。
1人旅と複数旅では、それぞれにメリットとデメリットがあります。
私は自分のペースで歩きまわれる1人旅が、何よりも好きです。
だけど、彼女と過ごした7時間は、とても有意義な時間でした。
今回はこれまであまり話せなかったことも、話すことができました。
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ヒルデガルトの巡礼教会に到着。
毎週木曜15時から、30分だけ開催される「瞑想」の時間です。
この「瞑想」は短く地味でしたが、強く印象に残りました。

開始時間に集合したのは、私たちを含めて3名だけ。
そのうち1人のおじさんは、明かに地元の内輪のおじさんです。
「このまま、3人だけだったらどうしよう」と焦りました。
だけど、徐々に信者が増えてきたので、ほっとしました。
「瞑想」を主催していたのは、神父でなくシスターです。

「瞑想」とは、ヒルデガルトのCDの曲を流しながら、
シスターがヒルデガルトの言葉を読み、時には目をつぶって暗唱し、
ヒルデガルトの聖骨の前で、すばらしい観念世界に入ること。
うるさい観光客がいたら、シスターが注意して静かにさせました。

この人は何年もこれを繰り返してきているんだなーと思うと、
感慨深いものがありました。ヒルデガルト信仰というのは、
基本的に地元信仰なんですよね。それを実感できるのがこの教会です。
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シスターにご挨拶をしに行くと(初めての経験です!友人のおかげ)
「上の修道院で珈琲を飲んで行きなさいな」と勧められました。
上の修道院に行くには、長い急な坂道を登らなければいけません。
朝から歩き続けている私は、ちょっと気が進みませんでした。
でもドイツ人の友人はお散歩大好き。歩いて丘をあがる気満々です。
まあ、修道院の売店も見たいし。せっかくだから行くことにしました。

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お土産のパンの袋を下げて、ずんずんと先に進む友人。
彼女はまったくタフで、好奇心が強く、かっこいい知識人です。
いつも私のことを「あなたって、本当に勇気があるわ!」
というけど、彼女だってすごい行動派だと思いますわ。
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私 「修道院の売店、17時にしまっちゃうけど、先に行かない?」
知人「いや、コーヒー休憩が先!(キリッ)」

ドイツ人は、歩くのも好きだけど、カフェ休憩も大好きです。
ここでびっくりしたのが、カフェに偶然彼女の友人がいたこと。
同じテーブルを囲みながら、4人でおしゃべりに興じました。
その間に、お目当ての修道院の売店は閉まってしまいました(涙)
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私、しつこく彼女を撮影していたみたいですね(笑)
面白いので、連続して彼女の入った写真を貼ります。
カフェが17時に閉店したので、友人たちに別れを告げて、
隣接する礼拝堂に移動する私たち。
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ヒルデガルト記念祭の期間なので、特別展示がありました。
それを読みながら、ゆっくりと教会内を見てまわります。
売店も閉まって、人もまばら。静寂が堂内を支配しています。

すると、奇跡のタイミングで、夕べのミサが始まったのです。
彼女はあたりまえのように外へ出ようとしていたんですが、
私が「このまま、ミサにでたい」と強く希望しました。
外に出かかっていた彼女も、しぶしぶ教会に残りました。
こうして、彼女は私の横で初めてここのミサを体験したのです。

ここの修道院教会のミサの素晴らしさと言ったら!
他のどんな教会とも違う個性があるんです。
まず、壇上にいてミサをとりしきる神父さんがいません。
ここの主役は、あくまでヒルデガルトなのです。

後ろのコーラス席から、天上の女性たちの歌声が静かに流れてきます。
CDかと思うほど滑らかな、すばらしいシスターたちのコーラスです。
ヒルデガルトの作曲したミサ曲に従って、ヒルデガルトの信念どおりに、
神の花嫁であるヒルデガルトの弟子たちが、神に祈りを捧げているのです。
マイクを通じた神父の説教とか、聖体拝領とか、あるべき儀礼がありません。

「なんてすてきな体験でしょう」ミサ終了後、友人は興奮して語りました。
「あなたがいなければ、体験できなかった。あなたには心から感謝するわ」
彼女は詩人なので、言葉が大げさなんですが、気持ちはよく伝わりました。
私も二度目ですけど、確かにこのミサは、何度参加しても感動するのです。
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しんどかったし、売店にも行けなかったけど。
ここまで登ってきて、ミサに出席できてよかったな。
滞在中、もう一回来れるかな。ヒルデガルト修道院。
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さて、夕方のイベントに向けて、さっきの教会に戻りましょう。
散歩好きなドイツ人のリクエストで「距離は長いけど眺めのいい畑道」を通り、
麓の教会まで帰ります。車道より趣はあるけど、地元民の言うとおり遠かった…。

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ブドウ畑の上からみた巡礼教会。
近く見えますけど、畑をぐにゅぐにゅと大回りさせられるので、
ここからもかなり歩きました。もう疲れたよーーー(涙)
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少し時間があったので、坂の途中で見つけたワイン酒場に入ります。
チーズパンのプレートと、グラスワインを頂きました。
「(さっき出席した)夕べの礼拝のことをVesperというけど、
夕方の軽食のことも、ドイツ語ではVesperっていうんですからね」
はいはい。ドイツ人って、本当にチーズとかパンとか好きですよね。
フェーダーヴァイサーはなかったけど、素朴でおいしいVesperでした。

ここでもうひとつ、面白い奇跡が起こりました。
まだ夕食の時間には早く、2組しか客がいない店内でしたが、
もう1組のご夫妻は、2日前の観光客用のレストランで、
私の隣の席に座っていたご夫婦なのです。
私がフェーダーヴァイサーを頼んでいるのを見て、
「あ、新酒あるんだ。うちにもよろしく」とオーダーしたのを、
覚えています。私が先に帰るときには、挨拶をして別れました。

2人も2日前の私のことをしっかりと覚えていたようで、
「偶然だね」と笑いながら、会話を交わしました。
ヒルデガルト祭りに参加しているようには見えませんが、
この町に連泊して、休暇を楽しんでいたのですね。
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明日は9月17日。ヒルデガルト記念祭です。
明日の本番に向けて、教会の前庭にはベンチが設置されています。
天気がよければ、ミサがすべて外で行われる予定なんだそうです。
だけどここ数日悪天候が続いているし。どうなんでしょうか。
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19時30分から、「力のダンス」が始まりました。
これがどんなイベントなのか、もちろん私にはわかりません。
講演に忙しい友人が、唯一フリーだったのがこの日でした。
「前夜祭だよ。悪くないと思う」と言って、誘いました。
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ヒルデガルトの言葉を用いた、前衛的なアプローチの宗教劇です。
他民族(ここではインド人舞踏家)や「悪い人たち」などが、
ヒルデガルトの教えに基づいて生きている女性たち(修道女)に、
接近してきます。彼女たちは時に和解し、時には激しく戦います。
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内陣の一部だけでなく、教会内を広く使って、
棒を持った若者たちが走りまわります。
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歌あり、朗読あり、大立ち回りあり。
とても見応えのある「町の宗教劇」でした。
あまり逢えない町民たちが、少ない練習で本番を迎えたそうです。
(招聘されたインド人舞踏家に、あとから練習の裏話を聞きました)
教会内は大きな拍手で包まれ、感動のエンディングを迎えました。
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私と友人は、オーバーアマガウ村で10年に一度開催される
「村の宗教劇」でそもそも知り合いになったのです。
彼女は劇作品の専門家でもあるので、今日は私に誘われて、
思わぬ「掘り出し物」に出会い、大感激していました。
この件でも、オーバーな表現で何度も感謝の言葉を伝えられました。

「力のダンス」が終了したのは、21時を少しまわったころ。
教会の中庭では、ワインが(有料で)ふるまわれました。
「21時50分の電車なので、それまでワインを飲みましょう」
と友人がいうので、雨の中庭でおしゃべりをしながら、
ワインを楽しみました。ちょっと寒かったかな。

さて、明日はヒルデガルト祭りです。
友人はこれないので、私1人で参加することになりますが、
明日は今晩のイベント以上の参加人数になると思われます。
人の勢いに負けないように、ベストポジションを抑えましょう。
風邪にも負けないように、体調を万全にしていかなければ。
だってこの日のために、日本から来ているのですから。


by ottohoefler | 2015-10-11 22:42 | 旅行(Reisen)


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by ottohoefler

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