2015年春のドイツ旅行(14)病院とリンブルク
こんにちは。ともたろです。
保険会社からは、「日本語通訳はないけど大丈夫?」
リンブルクの大聖堂に着いたのは夕方だったので、 付属博物館に入れないことはわかっていました。 キリストの十字架を収納した箱シュタウロテーク始め、 数々のお宝が眠っているので、心残りではいました。 こうなったら、写真を狙うのはもうここだけですわ。
大聖堂の向かいに建つモダンな司教館です。
ドイツに来て14日目にあたる木曜の朝。
どよーんとした相変わらずの天候ですが、
平熱が36度ちょいの人間なので、これは大変な事態です。
「薬もないし、これはもう歩きまわる場合じゃない」
そう判断して、中央駅の公衆電話まで走りました。
そもそも私は、海外旅行に電話を携帯しておりません。
タブレットを持参し、ホテルの無線LANにつなぐだけ。
いつもメールで、関係者と連絡を取り合っています。
この電話は、日本の旅行保険会社への連絡だったのです。
現金いらずで簡単に、保険処理してくれる病院がありました。
しかもラッキーなことに、そこはアパートのすぐ近くでして。
昨晩ザクセンハウゼンの帰りに通りかかった建物なのです。
てことでウンターマイン橋を渡って、再びザクセンハウゼンへ。
保険会社が電話で予約を入れてくれたので、
私は指定の時間に病院入りしただけ。
予約は最初の電話から2時間後の11時45分。
実に素早い対応でした。
これから病院に行くなんて信じられない。ううう。
とにかく石階段をあがりましょう。
(本当に熱があるとは思えない。ううう)
待合室では、壁一面に写真が飾っていました。
よく見ると、これらは全て有名人の写真なのです。
「ドクターに心から感謝するよ!俳優名」のサイン入り。
世界的に有名なドクターなのでしょうね。
大手旅行保険会社と大口契約しているから、
フランクフルトで体調を崩したアーティストを、
一気に引き受けているみたいです。
ドイツはホームドクター制。
待合室には、いろんなタイプの患者がいました。
片腕を折って、首からぶら下げているお爺さんとか。
咳がとまらない老若男女。それから妊婦さん。
おもいっきり咳している私が言うのもなんですが、
待合室でも、マスクしないでいいもんなんですね。
ドイツでは、病院の医師も看護師もマスクなしです。
だいたいマスクの人間と、すれ違ったことがありません。
私の今回の敗因はこれでしょう。つられたんですわ。
「マスクをしなくても、うつらない」と思いこんで。
んなわけないわなぁ。こんなに空気が乾燥してて。
診察に入る前に、書かなければいけない書類が膨大でした。
過去の病歴を、A4で5枚に渡って長々と書かされました。
これが伝説の書類攻めか。書類書きで1時間かかったものね。
と言われていました。私は「大丈夫」と言ってきました。
指定病院に来てみると、なんと日本人看護師がいたんです!!!
すごいベテラン風の方で、テキパキと私の症状を通訳し、
ドクターに細かく伝えてくれました。これはよかった~。
診察室で私を待ち受けていました。やっぱりこの人や!
日本人看護師のてきぱき通訳をいれて、診察を終えたあとに、
「これを薬局で買いなさい」と処方箋を出してくれました。
「今日は点滴を打つけど、明日になってもよくならなければ、
明日も予約なしで点滴に来ていいからね」とも言われました。
その言葉は嬉しかったけど、少しだけ違和感を感じました。
日本では、二日連続で風邪の点滴を打ちにいくことはないから。
病院の写真は珍しいせいか、周囲に評判がいいんです。
看護師の目を盗んで、必死で撮れるところは撮りました。
だけど毛布をバタバタする狭いスペースなのに、
こんなむき出しの蝋燭で、火事にならんのか?
おじいちゃん、燃えません?
点滴には、なんとマジックの手書きで「アスピリン」
と書かれていたんですよ。マジックよ、手書きよ。
臍をだしたアフロヘアの黒人看護師(超かわいい)に
シューッとスプレーで消毒してもらったあと、点滴です。
どうです?この状態での写真。なかなかプロ根性でしょ?
手書きのアスピリンで、少しだけ回復した気もしました。
「今日は朝から日本人が3人も来たわ」と
日本人ベテラン看護師は漏らしていました。
ドイツでは、風邪が流行っているみたいです。
病院ではお金を払う必要がなく、
アフロヘアの看護師にお礼を言ってから、
教えてもらった近所の薬局に向かいました。
筋肉の痛み用と、ビタミン剤。
真ん中の抗生物質の錠剤のサイズをみてください。
ラムネ菓子だって、もっと小さいのでは?
とにかくこれだけで、69ユーロ払いました。
実費ですが、後日保険会社に請求できます。
体調万全じゃないけど、点滴で少し回復したし。
午後に1か所だけ、どこかに行ってみます?
DBのチケットも、もう買ってあるしねぇ。
てなことで、私の悪い癖が出ました。
予定していたリンブルクの観光に向かったのです。
本当はもう1か所、寄りたい町があったのですが、
その町はさすがに諦めました。今日はリンブルクだけね。
14時31分フランクフルト発、15時40分リンブルク着。見たかったのは、ドイツで超話題の司教館と大聖堂だけ。
駅前に新ゴシック様式のプロテスタント教会がありましたが、
華麗にスルーして、旧市街を目指して、ゴー!
駅を出たら、駅前通をまーっすぐ進んでいくだけ。
そう歩くことなく、こじんまりとした旧市街に入れます。
だけど駅前通が華やかなショッピング街と交差していたので、
つい人の流れにそって、左折してしまいました。
そしたらすぐ目の前に、市庁舎がありました。
聖アンナ教会の前を通って、旧市街へと向かうことにしました。
この教会は新しく見えますが、内陣は13世紀に創建された
旧ヴィルヘルミーテン修道院を利用しています。
私はちょっと寄り道をして、横のほうから来ましたけどね。
つきあたりの木組の家の並びに、期待感が高まります。
旧市街は少し坂になっていて、どこの小道にそれても、
かわいいディスプレイの雑貨屋が連なっているのです。
(私がそういう場所に行かないって理由もありますが)
リンブルクはあります。そういうお店だらけなんです。
時間さえあれば、私だって一軒一軒見たかった。
どこも少しずつ坂で、迷路のような旧市街です。
これは遺跡ですね。昔の井戸と塔の跡です。
リンブルクは、19世紀のヒルデガルト崇拝に
大きく関連している大事な司教区だからです。
10世紀頃、東フランク王国の支配下にあって、
この地域を支配していたコンラート・クルツボルト公が、
小さな聖堂を建立し、聖ゲオルクに捧げました。
それが現在の大聖堂の始まりと言われています。
中世にリンブルクはケルンとフランクフルトを結ぶ中継地
として発展し、周辺貴族やマインツ&トリアー大司教の
祝福を受けながら、1235年に大聖堂を建設しました。
このときラーン川を往来する商人の安全を願って、
聖ニコラウスも大聖堂の守護聖人に加えられました。
1420年以降はトリアー大司教の領土に編入されたため、
16世紀の宗教改革後もカトリックであり続けたのです。
1803年、フランス革命とナポレオン進軍の影響を受けた
ドイツは教会修道院の強制俗化政策を行います。
ライン右岸の都市はナッサウ公国に編入されたのです。
ナッサウ大公はカトリックの強いリンブルクに
司教区の設立を提案し、リンブルクの大聖堂は、
1827年に司教座聖堂へと格上げされました。
町には人がほとんどいなかったのに、ここにはいます。
ルネッサンス時代のフレスコ画「聖エラスムスの拷問」で、
彼は内臓を抜き取られる拷問を受けています。あわわ。
2014年3月26日、バチカンの公式発表により
司教職を首にされた司教が建てた建物なのです。
「官舎新設に3100万ユーロを費やした」ことが、
非難の対象となりました。全土から叩かれました。
私はこれを見たかったの。ミーハーだから、どうしても。
ドイツ人は、教会維持のために教会税を納めてますからね。
自分たちの税金がこの奇抜なデザインに変わったと思うとね。
どうせなら、中に観光客を入れて、お金をとればいいのに。
長さが106mもあります。ここにも橋塔があったんですね。
ミルテンベルクやらレーゲンスブルクやら、
今回はやたら橋塔を見てまわる旅でもあったなぁ。
どうしても司教館の絵葉書が、ネタにほしかったんです。
体調さえよければ、ゆっくり買物したかったんですけどね。
橋を見たあとは駅に戻り、17時18分の列車に乗って帰りました。
フランクフルトでは、初めてケバブ屋に寄ってみました。
「今日のメニューセット」を、たしか9ユーロで購入。
そこらへんの味を、全て詰めてくれるお得なセットです。
ただし部屋に帰りつく頃には、元気が完全に失われて、
もう食事どころじゃなかったんですけどね。
そんなわけで、午前中の点滴はなんだったんやー!
って感じの最悪の夜になりました。また体調最悪化です。
熱も38度に戻り、うんうん唸りながら眠りにつきました。
こんなんじゃ、明日の朝はまた病院からスタートかな。
by ottohoefler
| 2015-05-19 23:57
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by ottohoefler
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