2015年春のドイツ旅行(2)ビンゲン市内

こんにちは。ともたろです。
なぜビンゲンを選んだのか。
それは、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの町だから。
前回のマインツ旅行で、さんざん近郊をうろついておきながら、
この町だけは、満足のいく訪問が達成できなかったからです。
だから今回はここに4泊して、思う存分見てまわろうと考えました。
c0025187_22401640.jpg

ビンゲンは、ライン川とナーエ川の河口にある町。
この2つの川の交差地点に、宿泊ホテルは建っています。
「なんてすばらしい眺め!」なのはいいんですが、
起床して窓を開けると、あたり一面霧というか靄というか。
とにかく真っ白なんです。3月中旬なのに、4度とかもうね。
c0025187_22454922.jpg

朝食部屋は、豪華なリゾートホテルのようでした。
フランス語、英語、中国語…外国語があちこちから聞こえてきます。
ドイツ人向けというより、外国人(金持ち)向け観光客向けホテルかな?
それにしてもバルコニーの外の靄をみてくださいよ~まだ真っ白です。
c0025187_22504562.jpg

朝食バイキングには、甘いパンやケーキもたくさんありました。
これは午後の活力になるので(持ち帰りで)嬉しい限りです。
c0025187_22514064.jpg

それから、ドイツ定番のチーズの数々。
これらを味わうたびに、「私はチーズを食べにここにきているのだ」
と実感して嬉しくなります。日本ではこんな贅沢ありえませんもの。
c0025187_22541729.jpg

スムージーも何種か出ていて、リッチな気分になれました。
こんな機会はないので、でてるものは全て飲みまくりました。
ここのホテルはロケーションだけでなく、朝食もすばらしかった。
c0025187_22563593.jpg

お腹もパンパンになったので、そろそろ活動を開始しましょう。
ここは、ライン川岸から線路を超えて旧市街に入る唯一の踏切。
何気ない光景ですが、ビンゲン市内への重要な入口なんです。

到着翌日の土曜ということで、この日のスケジュールは、
町をゆっくり見てまわるだけにしています。無理はしません。
実を言いますと、日本出発前日に風邪をひいて発熱しまして。
急いで医者にかけつけ、10日分の薬をもらっていたのです。
日本の薬は優秀なので、1日飲んだだけで熱が下がりました。
「だけど今回は無理をしない」…そう誓って旅に臨んだわけです。
c0025187_2305250.jpg

踏切脇のキオスクが開いているのを見たのは、この日だけ。
というか、ビンゲンが生きているのを見たのは、この日だけです。
ビンゲンって、びっくりするほどすたれている町。(すみません)
他の町で見かけるような、外国人の集団も見かけませんでした。
いや、どこかにいるんでしょうけど、とにかく人がいないんです。
「観光客なんているの?大丈夫?」と不安になってくるほど。
c0025187_234012.jpg

土曜日は、ドイツ人にとっての買物デーです。
この日ばかりは、一週間分の食糧備蓄分を求めて、
人が出回っているはず。確かにお店もあちこちで開いています。
5~6月の風物詩ホワイトアスパラを見つけたので、撮影しました。
こんなに寒いのに、もう市場に出まわっているんですね。
よく見たら、アーティチョークもあるじゃあーりませんか。
c0025187_23194916.jpg

通りを抜けて、私が目指したのはヒルデガルトインフォメーション。
この町のヒルデガルト関連場所について、質問があったんです。
前回ここに来たときには、時間が合わなくて閉まっていました。
今回も嫌な予感はしていたんです。案の定、お休みでした…。
要するに3月は冬季休業期間みたい。
c0025187_23265056.jpg

何よりびっくりしたのは、そのあとに行ったツーリストインフォメーション。
ここも冬季休業期間なんですよ…え?ここヒルデガルトの町ですよね?
アルプス山脈にあるわけでもないし、冬だからどうのってこともないし。
イースター前の週末ってことで、むしろ稼ぎ時なんちゃいますのん?
「死んでるわ…この町…」と私が確信し始めたのは、このときです。
c0025187_2337364.jpg

しかたがないので、事前調査で得た薄い基礎知識をもとに、
ヒルデガルトゆかりの場所を訪ね歩くことにしました。
まずは旧市街の中心部にある聖マルティン聖堂から。
c0025187_23312196.jpg

聖マルティンは、1006年の文献に出てくる教会ですが、
長い歴史のなかで何度も破壊されて、戦後になってから、
今の新ゴシック式教会に建て替えられています。
c0025187_23575612.jpg

この教会で重要なのは、何よりも11世紀由来の地下納骨堂。
町のパンフには「貴重な聖遺物があった地下納骨堂の存在は、
ヒルデガルトだって絶対に知っていたはず」と書いてあります。
そうでしょー、絶対にここに来て、ここで祈っているでしょー。
c0025187_2357418.jpg

ということで、地下に通じる階段を降りてみました。
足元が暗くて、ショージキ途中はほぼ肝試し状態でした。
手さぐり状態で辿りつくと、鉄格子の扉が閉まっていて、
「危険な状態なので入室禁止」との貼り紙があります。
真っ暗で何も見えないけど、鉄格子越しに撮影。ぱしゃっ!
…日本のカメラの性能に感謝。なんとか写っていました。
これが「ヒルデガルトが祈りに来たはずの納骨堂」です。
ここでひざまずくヒルデガルトさん、イメージくださいね。
c0025187_0103691.jpg

さて、この土曜にはほとんど時間の縛りはないんですが、
明日日曜の本番に向けて「予習」をする予定になっていました。
旧市街を抜けて、30分ほど坂道を歩いて登っていきます。
ビンゲン町駅からバスが出ていますが、本数が少ないので、
歩いて登ったらどうなるんだろうと試してみたかったんです。
この道が、目的地ロッフルベルクにつながるロッフス通です。
c0025187_0164736.jpg

広い墓地があったので、わざわざ通り抜けていきます。
私は墓地が好きなのです。なんか心がすっきりします。
c0025187_0181718.jpg

「ヒルデガルト高校」なんてモダンな建物もありました。
履歴書に「ヒルデガルト高校卒」と書けるなんて、素敵ですよね。
c0025187_019269.jpg

余計な寄り道をしなかったらよかったと後悔…(はぁはぁ)
高級住宅が両脇に連なっていますが、とにかく坂道はきつい。
気づくとライン川を見下ろせるまで、高いところに来ていました。
c0025187_0222722.jpg

すでに道は平らになっていました。丘の上に着いたのでしょう。
人がこっちに曲がっていく。目的地はこっちのような気がする。
c0025187_0242636.jpg

林の奥にあったのは、目的地のひとつヒルデガルトフォーラム!
気はせくけど、ここにはあとでまた寄ることにしましょうかね。
c0025187_0261785.jpg

目的地についたー!!!
ロッフスベルクの頂点にあるロッフス礼拝堂。
私はここに来たかったんです。だけどこんな丘の上にあるし、
建物の中に入れるのは、週1回日曜朝のミサのときだけ。
今回の旅では、ビンゲンに滞在してここのミサに来る!
それがひとつの目標だったんです。
c0025187_0322151.jpg

この礼拝堂は17世紀に建てられました。歴史は長くありません。
だけどビンゲンにおけるヒルデガルト崇拝再燃の基盤となった
大変重要な教会なんです。ヒルデガルト崇拝は一時下火となり、
ヒルデガルト関連修道院の中で、細々と続いているだけでした。
それも戦火にあい、修道院活動が継続できなくなったんです。
彼女の修道院の内装調度は、このビンゲンの新しい教会に移されました。
それをきっかけに、ここビンゲンでヒルデガルト崇拝が再燃したのです。
そこらへんの流れを研究論文にまとめたのがクラーゼンブリンク教授で、
なんと、この教会の前の小道には彼の名前が付けられているんです!
その看板を見たとき、私がどれだけコーフンしたかわかるでしょうか。
ビンゲンの市民は、彼の研究をそれだけ評価したってことですよね。
c0025187_0443577.jpg

さて、この教会にはまた明日(ミサに)来るので、
またこれからヒルデガルトフォーラムに戻りましょうか。
フォーラムと礼拝堂の距離は、徒歩5分程度です。
c0025187_0463693.jpg

フォーラムの中は、売店と喫茶店と展示場。
ちなみに売店で働いているのは、アイビンゲンの修道女たちです。
この日は蘭の展示会が行われていて、蘭愛好家であふれていました。
c0025187_0505033.jpg

あまりに熱気むんむんなので、私は(ヒルデガルト)スープと、
(ヒルデガルト)パンを購入して、フォーラムの外で頂きました。
スープは非常に濃厚、パンは素朴なお味でおいしかったです。
c0025187_0552743.jpg

さて、お腹も満たされたことですし、町に降りることにしましょう。
坂道を降りる途中に、「クロップ城」に向かう道を発見。
クロップ城とは、ビンゲンの旧市街を見下ろすようにして、
山の中腹に建つ町のランドマーク的なお城です。
1502年には画家グリューネヴァルトもここに滞在して、
対岸のルーペルツベルク修道院を眺めたということです。
代表作のイーゼンハイム祭壇画に登場する見事なアーチは、
ヒルデガルトの修道院をヒントに描いたと言われています。
c0025187_1104081.jpg

今はお城の中に入れないので、散歩やサイクリングで
ここまであがってくる市民の憩いの場になっていました。
お城からの眺めを写してみましたが、ごちゃごちゃしてますね。
遠くの山の中腹に建つモダンなマンションが気になるんだよなぁ。
c0025187_117291.jpg

さて、どんどん町へと降りていきます。
行きたかったのは、ホテルの隣にある博物館。
半年前には、閉まっていて入れなかった場所。
要するに、ここビンゲンの顔であるヒルデガルト博物館です。
c0025187_120861.jpg

「川岸の博物館」といいます。
ヒルデガルトの名前がついていないので、
知らないで中に入った人は、びっくりするでしょう。
博物館全体が、彼女の特殊な観念世界でいっぱいです。
c0025187_1253364.jpg

ヒルデガルトが関わった修道院のジオラマとか、
書簡や著作(印刷物)が所せましと並んでいます。
たとえば、処女作『スキヴィアス』の初版とかね。
c0025187_9354515.jpg

ヒルデガルトファンにとっては鼻血ものの展示内容です。
修道院の独立自由を許可する皇帝バルバロッサの保護状もあるし。
c0025187_1315518.jpg

ここには長時間いました。写真もたくさん撮ったんですが、
もう一か所チェックしたい場所があるので、博物館を後にします。
なお博物館員には、貴重なヒルデガルト情報をたくさん頂きました。
c0025187_1382456.jpg

私がチェックしたかったのは、駅のそばの丘(ビンガーブリュック)
を上ったところにあるルーペルツベルク修道院跡なんです。
この黄色い建物付近に、ヒルデガルトの修道院があったんです。
今はわずかな痕跡が建物内に残るだけ。外からは確認できません。
ここにも前回は入れなかったのですが、今はどうなんでしょうか。
c0025187_1401197.jpg

横にある事務所に近づくと、やっぱり閉まっている気配。
嫌な予感がします。扉には、前回にはなかった貼り紙が…。
「私たちのヒルデガルトアーチにご招待したいのですが…
こちらはいつでも開いているわけではありません。
お電話頂いた方には10-15分ご案内することも可能です」
c0025187_142131.jpg

「毎週日曜に入れる」と思っていたんですけど、違うみたい。
実は事前にメールでお問い合わせしていたんですが、
何週間待てども、お返事がきませんでした。
どうやら、関係者が休暇中だったみたい。はぁ~
c0025187_1475871.jpg

前回と同じルートで、その向かいにある教会に移動します。
「聖ルーペルトと聖ヒルデガルト教区教会」という名称ですが、
これもそんなに歴史のある教会ではありません。
ヒルデガルトブームに乗じて、百年前に建設された教会です。
だけど内部には貴重なステンドグラスがあるはずなんですよね。
一度入ってみたいんですけど、常に門が固く閉ざされています。

「教会は日曜には入れるはずよ」と博物館員にも言われました。
明日開いているのなら入ってみたい。時間があえばミサに行きたい。
そう思って周囲をうろつきましたが、貼り紙がないんですよね。
ふつうは地域住民のために、何かしら情報が書いてあるのに。
そこで買物帰りの近所の人を捕まえて、思い切って質問しました。

私     「すみません、ここの教会、いつ開いているかわかりますか?」
奥さん  「私は開いているのなんて見たことないわ。あなた知ってる?」
旦那さん 「ずっと閉まったままだよ。だって屋根が壊れてるんだから」
私     「……(こんなヒルデガルトブームなのに!)」
c0025187_201012.jpg

がっかりです。目的のヒルデガルト観光ポイントが一つ消えました。
まあ詳細がわかっただけでも、良しとしなければいけませんよね。
とにかく1日目はこれくらいにしよか。私はとぼとぼと町に戻ります。
古い税関の建物を再利用したレストランが目に入りましたけど、スルー。
貧乏性なので、最後にもう一か所だけ、教会に寄って帰ろうかな。
c0025187_1591638.jpg

午前中に寄った聖マルティンのミサです。
「土曜ミサ18時30分」と書いてあったのが気にかかり、最後に寄りました。
私はカトリックではありませんが、ドイツに来るとカトリックのミサに通います。
お墓訪問と一緒で、とても浄化された気持ちになれるからです。
c0025187_251160.jpg

初日の夕ご飯は、やっぱりスーパーのお惣菜でした。
身体が疲れているせいか、ドイツではフルーツをやたら食べるんですよね。
日本にいたら、そーんなにたくさんは食べないんですけど。
そんなわけで、明日はいよいよミサに参加する日です。
わくわくする気持ちを抑えて、ベッドに入ります。
おやすみなさーい。

[PR]
by ottohoefler | 2015-04-23 02:40 | 旅行(Reisen) | Comments(4)
Commented by 風来坊 at 2015-04-23 18:14 x
しばらく更新がなかったので「ドイツ行ってんのとちゃう?」と思っておりました〜
予想的中ですね(笑)
体調がすぐれない中での旅行、大変だったでしょう。
今はもう復活されましたか?
旅行記のほとんどを理解できない私ですが
(なにせヒルデガルトってなあに?レベル)
景色とかともたろさんのお話が面白くて
毎回楽しみにしております。
更新待ってますよ〜〜〜〜〜!
Commented by ottohoefler at 2015-04-24 22:32
風来坊さん、こんにちは~!
あ~たり~!!! ご訪問ありがとうございます。
今回の病は強烈でした。まだ咳き込んでいます。
1か月間、咳が続いていることになります。

右から左へと、ネコの頭のように忘れてしまうので、
忘れないように、記録している旅行記です。
楽しみにして頂いて、本当に光栄です。
GWにかけて頑張って続けていきま~す。
Commented by 南栗橋車両管理区荒川支所 at 2015-04-28 01:23 x
お晩です

すごいですねDBのアバウトさ…

それに
日本と違い列車の無線というシステムもなさそうですから遅れていても原因不明ですね

最近は
鉄道各社『遅延メール』に登録するとすぐ遅れの情報が来ますが

そんな便利なものがないちょっと昔は受信機を持ち歩いて電車が止まると受信機で『情報収集』してました
(一応、受信機で聞くのは合法です)

今はJR東日本がデジタル無線になり聞くことが不可ですが
私鉄系はまだ聞けますのでたまに持ち歩いています

東日本以外(関西でしたら西日本や阪急・京阪等の各社)はデジタル波じゃなくてアナログ波ですから受信は可能です
(テレビ音声もアナログ時代は聞けましたが、デジタル化で今は周波数合わせても雑音か無音です)

町駅の画をみると
外房線の大原駅みたいな感じですね
(ディーゼルカーの停まっている感じが、いすみ鐵道みたいな雰囲気です)
Commented by ottohoefler at 2015-04-29 01:25
ねずみさん、さすが!
まさか無線がないんですかね?そんな~~~!!!
ドイツに遅延メールシステムがあるかどうか不明です。
今度友人に聞いてみますけど、たぶんなさそうですわ。
そんなサービス始めたら、パンクしそうですからね。
先日も大風のせいで、DBが一斉に止まった事件があり、
友人は2時間アナウンスなしの駅で待ったそうです。
ドイツはまだ鉄道王国みたいは顔していますけど、
JRからの遅れは顕著だと思います。本当にお粗末です。


見てるだけでシアワセな気分になれる身のまわりのモノたちをおひろめしています


by ottohoefler

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

カテゴリ

全体
自己紹介・リンクについて
ケメ子が一番(Katze)
旅行(Reisen)
ヴィンテージ
家具・雑貨
和の器
ファイヤーキング
オールドパイレックス
映画
かわいいもの発見
おいしいもの発見
未分類

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
more...

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧